拝啓 社長殿 経営者のための財務情報 この資料は全部お読みいただいて125秒です。
今回のテーマ:会計にイノベーションは必要か−共通化・リアル化への道
会計に改革の波 「会計は500年間イノベーションなしにやってきた」(P・F・ドラッカー)。十数年前までは、1年以上前の財務データが最新情報でした。このような会計では時代の要請に応えることができません。方向性は三つです。第1は処理のスピード化を卒業して企業実体の表示をアップデートさせる基準の拡充です。第2は不確実性の排除。キャッシュフロー重視や低価法、さらに実績主義の企業会計をより将来に近づけるため「見積り」を会計に反映させます。第3は会計の最重要機能である比較可能性を高める会計基準の世界共通化です。
日米欧で会計基準の共通化を推進 企業会計基準委員会(ASBJ)は、日本の会計基準を2011年6月末までに国際会計基準との差異を解消することで国際会計基準理事会(IASB)と合意した、と発表しました(2007.08.09日経新聞)。 企業会計基準委員会とはなにか。「日本の会計基準は旧大蔵省の企業会計審議会により制定されてきた。しかし、国際的調和の観点から、諸外国と同様に民間による会計基準の設定を望む声が強くなり、2001年に設立された財団法人財務会計基準機構内の企業会計基準委員会に順次移行することとなった」(インターネット・フリー百科事典ウィキペディアより)。
会計基準の強制力は? 「会計基準とは、主に企業会計における財務諸表の作成に関するルールをいう。会計基準そのものは法律ではないが、会社法や証券取引法により、事実上、法体系の中に組み込まれている」(同上ウィキペディア)。会計監査を受ける必要のある企業は、会計基準の遵守が義務づけられます。会計監査人の選任を必要としない企業でも、主要な会計基準は、会社法上、遵守する必要があります。
国際会計基準との差異点解消へ−主要事項
1.「たな卸し資産は低価法」で評価(2008年4月以降強制適用) たな卸し資産への投資は、マイナスのキャッシュフローとして、企業経営上、要注意項目です。売れてこそプラスのたな卸し資産、価格が下がればマイナスの利益。たな卸し資産への過剰投資は、経営上デンジャラスです。キャッシュフロー重視の延長線上に、たな卸し資産は値段が下がったら下げる「低価法」が世界の主流です。
2.「合併受け入れ資産の評価を時価方式」に統一へ(2007年中に論点整理) 対等合併が主流の日本では、合併で受け入れる資産には合併前の簿価を付す方法も認められていました。合併はM&Aの一形態であり、対等合併はあり得ないとする世界の主流は、受け入れ資産を時価で受け入れます。
3.企業買収時ののれん代(目標2011年6月までに) 日本では企業買収時ののれん代を、多くの場合20年で定期償却しています。世界の主流は、のれん代は償却すべきものではない、もし価値が下がり、または価値が認められなくなったら、その時点で時価に換算すればよい、というものです。買収にあいまいさは許されない、ということでもあります。
お見逃しなく!
会計の役割と課題 事業活動を貨幣単位で「記録」「測定」し、「利益配分」をそれに基づいて行うこと、これが500年前から行われていた会計の基本使命です。決算期制度が導入された企業会計では、財務数値の「比較可能性」が重要使命となりました。会計基準の日米欧共通化もその延長線と言えます。資本市場の発達とともに、財務情報の「開示・伝達」が飛躍的に重要になりました。ここ数年来、グローバリゼーションの進展から、会計への注目度が一気に高まっています。いかにして「企業実態」を素早く「アップデート」して適確に表示する会計基準を「共通化」できるかが重要課題と言えます。
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