国際税務ニュースレター
今回のテーマ:関係会社間のマネジメントフィー
海外グループ会社間で役務提供を行う場合、グループ会社間の役務提供に係る対価をどのように設定すればよいのか?という問題が生じます。このグループ会社間の役務提供に係る対価とは、例えば親会社が子会社に提供するさまざまな無形のサービス・便益に対する対価となりますが、通常「経営指導料」や「マネジメントフィー」のような名目で授受されます。
1 親会社に対してサービスを要請すること
関係会社間の取引については、第三者間の取引以上に契約書などの書面の整備が重要です。書面の整備がされていない場合には、税務当局がそのサービスを問題としてとりあげる可能性が高くなります。したがいまして、まずは親会社との間でサービスに関する契約書を締結すること、そして、契約書に具体的なサービスの内容を明記しておく必要があります。
2 サービスが実際に提供されること
サービスが実際に提供されたことを証明するためには、経営指導料やマネジメントフィーの請求書において、提供されたサービス内容などの明細を示す必要があります。
3 金額が合理的であること
本業に付随した役務提供について、第三者との類似した比較対象取引があればその価格と比較することによって金額を決めるのが基本となりますが、そのような比較対象取引は通常ですとなかなか存在しません。そのような場合には、総原価の額を独立企業間価格として対価を決めることが認められています(移転価格事務運営要領2-9)。 原価の内容としては、次のようなものが考えられます。 直接費:給与、法定福利費、福利厚生費、旅費、消耗品費 間接費:光熱費、通信費、補助部門の一般管理費 間接費についても、サービス提供と合理的な関連性を有するものであれば、請求の対象とすることは可能です。その際には、コストが合理的な配賦基準によって計算されている必要があります。他の配賦方法ではなく、その配賦方法が適切であることを説明するサポーティング資料を準備しておくことが必要となるでしょう。
4 “on call”
実際に役務の提供をしていなくとも、要請に応じていつでも役務の提供をすることができるよう人員や設備を利用可能な状態に維持している場合(”on call”)には、そのような状態を維持していること自体が役務の提供となります(移転価格事務運営要領2-10)。
お見逃しなく!
損金計上のためには債務が確定していることが必要です(法基通2-2-12)。マネジメントフィーに概算計上のものなどが含まれていないかご注意下さい。
税務調査の際にはマネジメントフィーの計算根拠等を要求される可能性が高いです。その要求に応じて速やかに、明確に説明することができるよう、計算根拠資料を整備しておくことが重要です。
サービス内容が本業の場合には上記のような総原価によるアプローチは適しません(移転価格事務運営要領2-9)。そのような場合には独立価格比準法や原価基準法といった方法を用いて独立企業間価格を算定することになります。また、サービスを行う際に無形資産を使用している場合には、無形資産の使用部分について別途適正な対価を算定する必要があります。
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