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事務所通信
 居住者・非居住者の判断基準-2006年08月31日
   国際税務ニュースレター

今回のテーマ:居住者・非居住者の判断基準


 個人の所得税申告漏れ報道が近年増えつつありますが、その中に、海外に居住地を移した富裕層日本人の申告漏れ報道があります。7月26日付の朝日新聞他各紙が伝えた、「ハリー・ポッター翻訳者(以下、Mさんという)、35億申告漏れ指摘」に関する記事は、注目に値します。

 各紙が伝えるところによると、Mさんは、ご自分をスイスの居住者と判断し、日本で得た翻訳料報酬については、報道によれば20%の源泉税が日本の税務署に納付済みであったたため(日スイス租税条約の限度税率は10%)、日本での追加の納税義務は発生しないと考えられたようです。
 それならばMさんは、なぜ申告漏れの指摘を受けたのでしょうか?複雑な課税回避スキームが問題とされたわけではなく、Mさんが、居住者として税金を納めるべき国は、スイスなのか日本なのかという、容易に客観的な判断できそうな問題が争点とされました。
 Mさんが、日本の居住者と判断されれば、20%の源泉税率ではなく、所得税の累進税率が適用され、最高37%の税率で日本の所得税を納める必要があります。日本の課税当局が指摘した申告漏れとは、この適用税率の差異を指摘したものと同義といえるでしょう。
 さて、居住者・非居住者の判断について、一体どのような基準が税務上用いられるのでしょうか? 以下の法令・通達の規定振りから言えることは、日本に住民登録があるかどうかではなく、生活の実態はどうなっているのかが判断の鍵といえるでしょう。
・ 非居住者・・・・・・居住者以外の個人(所得税法2@五)。
・ 居住者・・・・・・国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人(所得税法2@三)。
・ 住  所・・・・・・各人の生活の本拠をいい、生活の本拠であるかどうかは、客観的事実によって判定することになっている(所基通2-1)。
・ 居  所・・・・・・住所がないとき又は不明のときに住所とみなされ、住所について認められるのと同じ法律効果が与えられる場所のことをいう(民法22条)。具体的には、人が継続して住んでいるが、住所ほど場所との結びつきが密接でない場所。

 Mさんは、スイス・ジュネーブにマンションを購入し、新宿区から住民票を移していますが、@頻繁に来日していること、A日本の出版社の代表取締役社長を務めていたこと、B国内でハリー・ポッターの宣伝活動をしていたこと、C2004年までの3年間は日本での滞在日数がスイスを上回っていたことなどから、Mさんの生活の本拠が、日本にあり、Mさんは日本の居住者にあたると国税局に認定されました。
 以上の経緯から言えることは、居住者・非居住者の判断は、形式的な住民登録の場所ではなく、生活の実態はどうなっているのかを第一に考えるべきだということです。


お見逃しなく!
 国税の課税処分に不服がある場合には、原則として税務署・国税不服審判所に不服申立てを行います。Mさんはご自身の判断で、ハリー・ポッターの翻訳料収入に係る所得税をスイスで納税していますので、仮に日本での不服申立てが棄却され、それに続く訴訟手続において敗訴した場合、日本・スイス両国で二重課税が行なわれる事態に陥ります。
 このような事態を避けるため、日本・スイス租税条約は、両国の相互協議により二重課税の回避について解決に努めることとする規定を設けています。Mさんは、この相互協議に自らの課税処分の行方を委ねたものとみられます。
 この相互協議の間は、不服申立ての審理は通常一時的に停止されます。相互協議の結果が、Mさんにとって納得できるものであれば、Mさんは不服申立てを取り下げ、争いはその時点で解決すると思われます。



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