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事務所通信
 教材の宝庫−阪神電鉄問題-2006年06月15日
 拝啓 社長殿
経営者のための財務情報                この資料は全部お読みいただいて2分25秒です。

今回のテーマ:教材の宝庫−阪神電鉄問題

過半数を制する
 村上ファンドは阪神電鉄の発行済株式総数の46%を保有するとされます。通常の総会決議は、委任状提出を含め出席株主の議決権の過半数で決議が成立します。阪神電鉄に限らず、一般的に総会の出席状況は70〜80%ということですから、46%は、間違いなく出席株主の過半数を制する比率と言われます。制空権はすでに村上ファンド側にあり、「『将棋で言えば詰んでいる』(大手法律事務所の弁護士)」(日経ビジネス2006年5月1日号)という状況にあります。

代表権の行方
 このまま、村上ファンドの提案した議案が成立すれば、会社の重要事項や代表権者の選出は、取締役会の過半数を制する村上ファンドが握ることになります。今回改選対象になっていない阪神電鉄プロパーの代表取締役(3名)の代表権が奪われた場合、会社業務の指揮命令は瞬時に新たな代表取締役に移行します。実際にこのような事態を想定した場合、会社機能は麻痺しかねません。ファンド側も避けたい事態だと思われますが、大阪証券取引所の場合と異なり、焦点が阪神電鉄株式の引き取り価額であるだけに、株主提案の撤回など早期の事態収拾は困難かも知れません。

取締役の解任決議
 会社法では、取締役を解任する決議要件が、従来は総会で2/3以上の賛成が必要でしたが、過半数の賛成、と条件が低くなりました。これは、今回の新会社法の隠れた注目点の一つでしたが、早くも顕在化した形です。決議要件を2/3規準へ戻すためには、定款に規定する必要があります。先取りして昨年定款変更した会社もありますが、多くの会社は対応せず、買収防止策の弱点として指摘されています。今回村上ファンドが、新規定を活用した現任取締役の解任決議案を提案しなかった点は、憶測を呼ぶ結果となっています。


お見逃しなく!

ステークホルダー(利害関係者/利害共有者)の存在
 いままでの村上ファンドは欧米でいうアクティビスト(活動家)・ファンドですが、取締役の過半をファンドから出すことになれば、その性格は、実際に経営権を握る「企業買収」型に変わってきます。企業には、株主、役員だけでなく、顧客、取引先、労働組合、金融機関、監督官庁など様々なステークホルダーが存在します。実際に担当する取締役が、背任問題を背負わず会社を運営し、あるいは切り売りするのは容易ではありません。ステークホルダーとの関係を無視して、問題解決はできないと思われます。労働組合の反対でM&Aが見送られるケースもしばしばあります。既に、電鉄事業では国土交通省が注視しています。球団問題ではファンの声に耳を傾けざるを得なかったわけです。阪神電鉄のケースは、企業運営・買収・防衛に多くの教材を残します。

2/3と過半数のはざまで・・
 非公開会社でも過半数か2/3かで事態を左右する場面はしばしばありますが、上場会社での議決権の出席割合が7、8割の状態からすれば、2/3が実務的にもつ意味は「大勢」ということになります。定款による企業自治が謳われる新会社法では、定足数の排除または軽減、決議要件の加重または軽減など、機動性と防御体制のバランスが求められます。
<普通決議> 定足数:過半数 決議要件:過半数(→定足数の排除は可、決議要件の加重も可)
<役員選任決議・解任決議> 定足数:過半数 決議要件:過半数(→定足数の排除は不可、1/3までの軽減は可、決議要件の加重も可)
<特別決議> 定足数:過半数 決議要件:2/3(→定足数を1/3まで軽減可)




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