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事務所通信
 来料加工とタックスヘイブン対策税制-2006年01月25日
   国際税務ニュースレター

今回のテーマ:来料加工とタックスヘイブン対策税制


 日本企業による中国への製造業の進出形態として、香港等を経由した委託加工貿易の形態である「来料加工」が広く利用されていますが、この来料加工に対してタックスヘイブン対策税制が適用されるかどうかが近年問題となっています。

1 来料加工とは

 来料加工とは、外国企業(本件では日本企業の100%香港子会社)が中国本土の製造業者に原材料を無償で提供し、中国本土の製造業者は委託者(香港子会社)が要求する品質・規格に従って製品に加工後、委託者(香港子会社)へ無償で全量を納品し、加工賃を受け取るビジネス形態を言います。
 このような形態では、本土で法人を設立する必要がないことや、輸入される原材料に対する関税が免除されるといったメリットがあると言われています。

2 タックスヘイブン対策税制とは

 内国法人等が発行済み株式の総数の50%超を直接または間接に保有する外国法人(外国関係会社)で、その所在する国・地域における法人税率(租税負担割合)が25%以下となるものを特定外国子会社等といいます。この制度は株主である内国法人等がその外国子会社の留保所得に各持分割合を乗じた金額について、その内国法人の所得に合算して課税するというものです(措置法66の6@)。
 ただし、特定外国子会社等が以下のすべての要件を満たす場合には、適用除外として合算課税の対象から外されます(措置法66の6C、同施行令39の17A)。
(1) 事業基準: 株式もしくは債券の保有、工業所有権もしくは著作権等の提供または船舶もしくは航空機の貸付を主たる事業としないこと。
(2) 実体基準: その国において事業を行うのに十分な事業所、店舗、工場などの固定施設を有すること。
(3) 管理支配基準:その事業の管理、支配および運営を自ら行っているものであること。
(4) a. 非関連者基準:卸売業、銀行、証券業などの場合、主に非関連者との間で事業取引を行っていること。
   b. 所在地国基準: (4) a.以外の業種(製造業など)の場合、その主たる事業が本店または事業所の所在する国・地域で行われていること。
 香港での法人に対する利益税の税率は現在17.5%であり、タックスヘイブン対策税制の適用要件を充足しているので、問題は適用除外に該当するのかどうかということになります。

3 来料加工における適用除外の問題点

 特定外国子会社等(香港法人)の営む事業の分類については、原則として日本標準産業分類(総務省)を基準として判定されます(措置法通達66の6-14)。これによれば、自らは製造を行わないで自己の所有する原材料を下請工場等に支給して製品をつくらせ、これを自己の名称で卸売する形態は製造問屋として、卸売業に分類されています。したがって、上記の来料加工の形態についての香港法人も製造問屋(卸売業)と認定されるだろうという考え方があります。卸売業の場合には、収入もしくは仕入金額のどちらかで非関連者との取引が50%を超えていれば (4) a. の非関連者基準を満たし、その他の条件も満たせば適用除外となります。
 一方、これに対して課税当局側は、上記の来料加工というビジネス形態を日本標準産業分類によって卸売業とは分類せず、製造業と考えているようです。香港法人が来料加工工場の経営管理を実質的に行っていると事実認定し、来料加工工場が香港法人の一部であるとみなした結果、香港法人の事業は製造問屋(卸売業)ではなく、製造業であるとし、(4) b. の所在地国基準を満たさないためにタックスヘイブン税制の適用対象になるとの考え方のようです。


お見逃しなく!
 来料加工を委託する香港法人の業種が製造業に該当するのか製造問屋(卸売業)に該当するのかについての明確な基準はありません。本件は最終的には税法規定の解釈ではなく、事実認定の問題に集約されるものと思います。
 来料加工が製造問屋(卸売業)であると主張するためには、香港法人が来料加工工場を実質的に経営管理していると事実認定されないよう、生産管理、労務、財務、その他の業務にかかる重要事項の意思決定を工場が自ら行っているという事実が必要であろうと考えます。


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