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事務所通信
 対インド租税条約改定交渉-2005年11月30日
   国際税務ニュースレター

今回のテーマ:対インド租税条約改定交渉


 9月29日付の朝日新聞は、わが国とアジア各国とりわけインドとの租税条約改定交渉が、進んでいることを報じています。現行インドとの租税条約上、配当の源泉税率は一律15%ですが、新条約に、親子会社間配当の源泉税率の引き下げ措置等が定められれば、わが国からインドへの投資促進に結びつくとしています。
 さらに、同紙は「インドが強みをもつソフトウエア開発への課税が軽減される可能性がある。」と伝えています。わが国は、現行租税条約の下において、インド企業のソフトウエア開発に対してどのような課税を行なっているのでしょうか?

1 ソフトウエア開発をインド企業に発注した場合のわが国における課税

 ソフトウエア開発を、わが国税法の規定ぶりにそって表現すれば、「科学技術に関する専門的知識又は技能を活用して行なう役務の提供に関する事業」(法人税法施行令179条3号)と言えます。このような事業が国内で行なわれるならば、国内源泉所得(人的役務提供事業所得)として課税されます(法人税法138条2号、同141条4号ロ)。
 したがって、国内法においては、インド企業が日本企業から受注したソフトウエア開発は、インド国内で開発が行なわれている限り、わが国では課税されません。では朝日新聞が報じているソフトウエア開発への課税とは、いかなる取引形態について述べているのでしょうか?
 日印租税条約12条4項は、「技術上の役務に対する料金」という所得を特別に定義しています。「技術者その他の人員によって提供される役務を含む経営的もしくは技術的性質の役務又はコンサルタントの役務の対価としての全ての支払金」がその定義です。朝日新聞が報じているソフトウエア開発の対価は、この「技術上の役務に対する料金」の定義に含まれます。次に同条6項は、この所得の源泉地が、支払者の所在地国にあると定めています(日本法人が支払えば日本源泉所得)。
 さらに同条2項は、「技術上の役務に対する料金」に関しては、「これらが生じた締約国の法令に従って租税を課することができる」と定めています。わが国の法令上、国内源泉所得について条約が国内法と異なる定めを置いている場合には、条約によって国内源泉所得とされたものが国内源泉所得とみなされますので(法人税法139条:所得源泉地読替規定)、ソフトウエア開発の所得源泉地は、国内法の役務提供地主義から債務者主義(日本企業が支払う対価は、すべて日本源泉所得とする)に変更され、わが国は、インド企業が日本国外で行なうソフトウエア開発の対価に対しても課税できると解されています。
 つまり、日本企業からインド企業に支払われるソフトウエア開発の対価は、開発場所が、日本国内であろうとインドその他の国であろうと、すべて日本で課税されるということです。

2 対インド以外の租税条約におけるソフトウエア開発の取扱い

 わが国が締結した対インド以外の租税条約においては、「技術上の役務に対する料金」の如き特別な所得区分は見られず、このような所得は、事業所得に区分されています。したがって、ソフトウエア開発の対価は、外国法人が、日本において支店等の恒久的施設(PE : Permanent Establishment)を通じて事業を行なっていない限り、わが国では課税されません。

3 租税条約の改正経過

 「技術上の役務に対する料金」に関する規定は、1989年の現条約全面改正時に、インド側の提案により、採り入れられました。インドが、近年技術輸出国として発展を遂げている状況から判断し、「技術上の役務に対する料金」に関する特別な取扱いの廃止を、インド側が提案しているのではないかと予測するむきもありましたが、結果的には税率を20%から10%に引き下げることで両国が合意したと伝えられています(10月31日読売新聞)。


お見逃しなく!
 現状では、インド企業に、ソフトウエア開発の対価を支払う日本法人は、20%の所得税を源泉徴収する必要があります(所得税法178、212条)。ただしソフトウエア開発が、インド法人の日本における PEにより行なわれ、さらに当該PEから源泉徴収免除証明書の提示を受けた場合には、源泉徴収義務は免除されます(所得税法180条)。


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