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 タックスヘイブン子会社に生じた欠損は親会社に合算できるのか?-2005年08月20日
   国際税務ニュースレター

今回のテーマ:タックスヘイブン子会社に生じた欠損は親会社に合算できるのか?


 軽課税国(タックスヘイブン)に設立された特定外国子会社等で生じた欠損を、親会社である内国法人が損金に算入できるか否かをめぐって争われていた訴訟で、高裁は損金算入を認めた地裁判決を取り消し、一転、損金算入を認めないという判断を示しました(高松高裁平成16年<行コ>第7号)。

1 本事例のポイント

 地裁、高裁を通して、この裁判で争点になったのは、租税特別措置法66条の6をめぐる課税の判断です。タックスヘイブン対策税制は、措置法66条の6第1項で規定されています。タックスヘイブンに本店等を有する外国法人の発行済株式総数か出資金額の50%超が、内国法人によって直接又は間接に保有されている場合、その内国法人が保有する株式数又は出資額に対応する特定外国子会社等の留保金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入されることになります。本件で争点となっているのは、このタックスヘイブン対策税制で規定されている特定外国子会社等の益金算入と同様に、特定外国子会社等の欠損についても内国法人において損金算入が認められるかどうかです。

2 事実の概要

 内国法人である親会社(納税者)は、昭和58年にパナマに100%子会社を設立して以来、パナマ子会社の損益を合算して法人税等の申告をしてきました。これに対して所轄税務署はパナマ子会社の欠損金を親会社の所得計算上、損金算入していたことを否認し、更正処分を行いました。納税者はこれに対して不服申し立てを行い、訴訟を提起したものです。
 松山地裁における一審判決では、@措置法66条の6は、特定外国子会社等の留保所得を一定限度で内国法人の所得の計算上、益金の額に算入する取扱いを規定したものであり、特定外国子会社等に欠損金が生じた場合の取扱いは規定していないこと、A法人税法22条3項では、内国法人の損金の額に算入すべき金額について、別段の定めがあるものを除き、同項1ないし3号所定の額と定めており、内国法人と法人格を異にする特定外国子会社等に係る欠損の金額がこれに含まれないことは明らかとしているので、さらにそれに加えて法人税法の特例である措置法が特定外国子会社等に係る欠損の金額を内国法人の損金の額に算入することはできないと規定していると解するのは相当でないとしています。よって、「特定外国子会社等に係る欠損を内国法人の損金の額に算入することが、措置法66条の6によって禁止されるとすることはできない」として、納税者の主張を認めました(松山地裁平成14年<行ウ>第4号)。

3 高裁の判断

 一方、高松高裁では、タックスヘイブン対策税制の立法趣旨が、課税執行面の安定性や税負担の実質的公平性にもあることから、「措置法66条の6は、特定外国子会社等に欠損が生じた場合には、それをその年度の内国法人の損金には算入することはできず、その特定外国子会社等の未処分所得算出において控除すべきものとして繰り越すことを強制しているものと解すべきである。」との判断を示した上で、地裁判決を取り消し、税務署側を支持する判断に至りました。

お見逃しなく!
 高裁判断によりますと、内国法人がタックスヘイブンに子会社を設立し、その欠損を親会社である内国法人の損金に計上するような租税回避行為が抑制されるという点で、課税執行面が重視されたものであると言えます。本件は上告されていますので、上告審でどのような判断が示されるのかが注目されます。なお、平成17年度の税制改正において、特定外国子会社等の欠損金の繰越期間(措置法施行令39条の15第5項)の延長が手当てされ、5年から7年に延長されました(平成17年4月1日以後に終了する事業年度において生ずる欠損金について適用)。

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